皆さんは「インナーチャイルド」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「アダルトチルドレン」と混同されがちですが、実は違う意味を持っています。
今回はそんなインナーチャイルドについて知るために、アダルトチルドレンとの違いや向き合い方などをご紹介していきます。
インナーチャイルドとアダルトチルドレン
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは、心の中の生まれた時から備わっている領域のこと。
心理学者のカール・ユングによって提唱された「内なる子ども」という考えに基づいています。
私たちの心は「インナーチャイルド」と「インナーアダルト」の2つの領域に分かれていると考えられていて、特に過去の経験や感情を持った子どもの部分をインナーチャイルドと呼んでいます。
傷ついたインナーチャイルドが放置されるリスク
インナーチャイルドは、幼少期や思春期に傷ついた経験から生まれます。
そこから大人になっていくにつれて徐々に癒されていけばいいのですが、うまく向き合うことができずに、結果としてインナーチャイルドを放置してしまうことになる人も多くいます。
インナーチャイルドを放置してしまうことで、自分の感情や欲求を表に出せなくなり、人間関係がうまくいかず生きづらさを感じるようになってしまいがちなのです。
アダルトチルドレンとインナーチャイルドの関係性は?
“過去“が自分を縛ってしまう
冒頭でも述べたように、アダルトチルドレンとインナーチャイルドは混同されがちですが、実は異なるものです。
インナーチャイルドが「内なる子ども」であるのに対し、アダルトチルドレンは「大人になった子ども」。
そして、インナーチャイルドが傷ついている大人をアダルトチルドレンと呼ぶのです。
日本人は約8割がアダルトチルドレンであると言われていて、幼少期にインナーチャイルドが傷ついてしまった状態のまま大人になり、そのトラウマに縛られ、生きづらさを感じてしまっています。
癒されない心の傷
では、実際にインナーチャイルドが傷ついたままにしておくとどのような影響があるのでしょうか。
アダルトチルドレンによく見られる特徴として「過剰な責任感」「自己否定感」というのがあります。
幼少期に親から責め立てられるような経験をしてきたために、「失敗してはいけない」と考えてしまったり、自分が全く悪くなくても、少しでも思い通りの結果からずれてしまうと「失敗した。自分は本当に何もできない」と考えてしまうのです。
結果、「そのままの自分を見せるのが怖い」「他人との適切な距離感がわからない」などという問題に直面し、人付き合いが苦手になってしまうのです。
インナーチャイルドを癒す3つの方法
インナーチャイルドを癒すことはできるの?
インナーチャイルドは癒してあげることができます。
傷ついたインナーチャイルドを癒してあげることは本来の自分を見つけて癒してあげることでもあるため、アダルトチルドレンの症状の1つである自己否定感などを感じにくくなるでしょう。
ここでは、インナーチャイルドを癒す具体的な方法についてご紹介します。
方法①ヒプノセラピー
ヒプノセラピーは、日本語にすると催眠療法です。
催眠状態に入ることによって、普段抑えられている潜在意識を表面化し、自分の中のインナーチャイルドに向き合います。
幼少期に体験した辛かったことや悲しかったことに対し、当時抱いていた感情などを改めて思い出すことで、悲しみ・怒り・恐怖などの感情を再確認していきます。
今まで向き合えなかったそういった感情と向き合うことで自分自身を認めることができるようになり、インナーチャイルドが癒されていきます。
方法②セルフヒプノセラピー
セルフヒプノセラピーは、ヒプノセラピーをカウンセラーなどに行ってもらうのではなく、自宅で、自分で行うことです。
セルフで行うメリットとして、
- 安心できる自宅で催眠状態に入れる
- 思い立った時、自分のタイミングでできる
- 催眠状態に入る練習が何度もできる
などが挙げられます。
専門家と一緒に行うことももちろんいいですが、自宅で・自分のタイミングでとなると、よりリラックスして行うことができますので、インナーチャイルドに向き合いやすくなるかもしれませんね。
方法③アダルトチルドレンカウンセリング
専門家による、心理療法を用いたカウンセリングも効果的です。
心理療法とは、カウンセラーや心療内科医との対話を通して心の問題に取り組む治療法のこと。
対話をすることで自己理解が深まり、インナーチャイルドを癒すことにつながっていきます。
ヒプノセラピーにハードルの高さを感じる人は、まずはカウンセリングを受けるところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
自分の中の「内なる子ども」であるインナーチャイルド。
あなたは小さい頃に負ってしまった傷をそのままにして、生きづらさを感じていませんか。
少しずつ自分と向き合い認めてあげることで、インナーチャイルドは癒されていきます。
1人で抱え込まず、まずはカウンセラーなどの専門家に頼ってみてくださいね。