子ども時代の心の傷から、さまざまな生きづらさを感じているアダルトチルドレン。そんなアダルトチルドレンが結婚をすると、生活はどのように変わるのでしょうか?
今回は、アダルトチルドレンと離婚との関係や、アダルトチルドレンの人が離婚した際の対応方法などについて詳しく解決していきます。
この記事を読むことで、あなたのお悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ読み進めてみてください。
アダルトチルドレンと離婚の関係性は?
人生の重大な決断の一つである「結婚」。アダルトチルドレンであることが、結婚生活にどのような影響を与えるでしょうか?
アダルトチルドレンの特徴
●そもそもアダルトチルドレン(AC)とは?
アダルトチルドレンとは、虐待などの親から受けたトラウマによって、大人になってからも生きづらいと感じている人のことを指します。
子ども時代に受けた心の傷から、大人になってもその影響が続き、様々な心理的問題を抱え、その特徴は個人によってさまざまです。
そこで、アダルトチルドレンによく見られる特徴を2つピックアップしてご紹介します。
①自尊心や自己肯定感が低い
親に自分自身を否定されてきた、親からの愛情を受けられなかった、意思を尊重してくれなかったなどの環境で育ってきた人は、「自分には価値がない」「自分はダメな人間だ」と、自尊心や自己肯定感が低い傾向があります。
自分の意見が言えなかったり、自分が必要とされているということに価値や存在意義を強く感じるなど、自分が相手に何かを与え価値を感じてもらえないと必要としてもらえないと考えています。
また、相手に尽くそうという思いが強まり、依存関係に陥ることになります。
②2次的な精神疾患につながりやすい
「アダルトチルドレン」は医学的な診断名ではないものの、そこに付随して精神疾患にかかることがあります。
2次的な精神疾患の例として
・依存症
・うつ病
・不安障害
・PTSD
・摂食障害
などが挙げられます。
アダルトチルドレンと結婚生活の影響
自己肯定感や自尊心が低いとされているアダルトチルドレンと結婚すると、どのような影響をパートナーに与えるでしょうか?
自己肯定感が低いアダルトチルドレンは、パートナーからの愛情表現やサポートを受け取りにくい傾向があります。
また、自分を責める傾向があるアダルトチルドレンは、パートナーに対して、自分の意見や感情をうまく伝えられないことがあります。
それだけでなく、相手に尽くそうという思いが強まり、パートナーに過度に依存することがあります。
アダルトチルドレンが離婚につながる原因3つ
ここまでは、アダルトチルドレンの特徴や結婚生活への影響について解説してきました。
アダルトチルドレンの方は、自分の過去のトラウマや経験から、無意識のうちにパートナーを傷つけているかもしれません。
パートナーとの生活を大切にするためにも、まずはあなたとパートナーとの現状を把握することが非常に重要です。
そこで、アダルトチルドレンの方が幸せな結婚生活を送るために知っておきたいこととして、離婚に至る原因のなかでも、代表的なものを3つご説明します。
原因その① 相手のことを信頼できない
子どもの頃、親から愛情を十分に受けることができず、一番身近な人と信頼関係を築くことができなかったアダルトチルドレンは、相手を信頼することがむずかしい傾向にあります。
愛情表現をそのまま素直に受け取れなかったり、愛情表現が苦手です。また、何かを与えて価値を感じてもらわないといけないという考えに至っているケースが多々あります。
このように、一番信頼するべき結婚相手のことを心の底から信頼しきれず、相手から「ここまで愛情表現をして、自分は信頼しているのに…」と不安に感じさせてしまいます。
原因その② 我慢が続き、たまに相手に感情爆発してしまう
アダルトチルドレンは、幼少期に感情を表現することが許されなかったり、親を否定することがなかったことから、自分の感情を抑える傾向があります。
そのため、人と関わることに不安や恐怖を抱きやすく、自分の意見を言えずにためこんでしまいます。
ですが、我慢はため込み続けることは不可能です。ため込んできた我慢が爆発し、パートナーをまくしたてるように責めたり、不満をセーブせずにぶつけてしまうことも。
パートナーとしては、「いきなり不平不満が爆発した」「気になっていたならその時に言ったらよかったのに」と不快に思う場面が続き、結婚生活がうまくいかなくなるケースが存在します。
原因その③ 相手に依存をしてしまい、過度な負担をかける
アダルトチルドレンは、相手に尽くすことで自分自身に価値を感じてもらいたいと考えています。
そこからパートナーへ必要以上に依存し、相手に過度な負担をかけてします。
「自分はこんなに相手に尽くしているのに、パートナーは尽くしてくれない」と感じてしまい、そこから相手にストレスを与えてしまいます。
このようなことが続いてしまうと、パートナーが耐えられず離婚の原因となってしまいます。
原因その④ 一人の親としての準備を整えることがむずかしい
アダルトチルドレンは、子どもの人生に自身を投影し、価値を見出そうとすることがあります。
さらに、自分が親から受けてきた教育から、子どもに反発されることに対して不安に感じています。
この感情がエスカレートすると、子どもに恐怖心を与えてでも、コントロールしようとすることも。
また、自分が育ってきた環境から、子どもに対して自分の親と同様の接し方になってしまい、愛情のかけ方や褒め方が分からず、過干渉などコミュニケーション不良となってしまいます。
パートナーとしては、子どもに対してなぜそのような接し方をするのか?子どもが大切ではないのか?と感じ、一緒に子どもを育てるのがむずかしいと離婚につながってしまいます。
自分を大切にするために…アダルトチルドレンの人が離婚した後の対応方法
なかなか結婚生活がうまくいかず、夫婦二人で考えた結果、離婚という結果になることもあるでしょう。
相手のためを思って離婚した場合は特に、心にダメージが残ってしまいます。
このような精神的に不安定な状態のとき、いつもはとらない行動をしたり、気持ちがふさぎこんでしまうことも少なくありません。
それでは、離婚後に自分が前向きに生きていくために、どのような対応をすればよいでしょうか?
アダルトチルドレンの方に限らず、離婚後にどうすればよいか悩んでいる方へ、その心構えや対応方法について3つご紹介します。
対応方法 その①代わりに異性で埋めようとしない
離婚後はどうしても寂しくなってしまうもの。ですが、代わりに別の異性で埋めようとするのは、絶対にやめましょう。立ち直るまでの期間は、自分自身とゆっくり向き合うことがポイント。
特に、誰彼かまわず関わりを持とうとすると、自己肯定感を下げる原因となってしまいます。
対応方法 その②ひとりでストレスを抱えようとしない
離婚したことは、なかなか周囲の人に話すことができなかったり、「離婚したことは恥ずかしいこと」と思い込み、相談できなかったりということもいらっしゃるかと思います。
ですが、ひとりで抱え込まないでください。
心のバランスを崩してしまうことも考えられるため、家族や信頼できる友人に相談しましょう。
対応方法その③ 心の専門家に相談をする
周囲の人に相談できない場合はどうすれば良いの?という方は、悩みや辛いことをため込まず、カウンセラーなどのプロに相談してみましょう。
また、心のバランスが崩れたり、精神が不安定になった場合は、メンタルクリニックで診てもらうことも考えられます。
とにかくひとりで抱え込んでしまうのは絶対NG。だれかに相談できる環境を作りましょう。
夫婦関係以外にも、アダルトチルドレンの子育てについてお悩みの方は、下記の文章もおすすめです。
お困りごとを解決するためのコツもたくさん記載していますので、ぜひ読んでみてください。
アダルトチルドレンが離婚しないために知っておきたい3つのこと
アダルトチルドレンの方は、子ども時代のトラウマや心の傷から、結婚生活に影響を与えるだけでなく、離婚の要因の一つになりうる可能性がある事をお伝えしてきました。
それでは、そもそも離婚しないためにはどうすればよいでしょうか?
自分もパートナーも幸せになるために、離婚しないために知っておきたいことを3つご紹介します。
①自分自身のインナーチャイルドを癒していく
インナーチャイルドとは、名前の通り「心の内側の子ども」という意味です。より具体的に言うと、子ども時代の記憶や当時抱いていた感情のことを指します。
ネグレクトなどの子ども時代のトラウマがあると、インナーチャイルドが傷ついてしまいます。そして、インナーチャイルドが傷つき、不安定なままだと、下記のような影響が考えられます。
・自信が持てない、自己肯定感が低い
・人との信頼関係をうまく構築できない
・人を信頼できない
今や未来に目を向けられるように、前を向けるようにするためには、インナーチャイルドを癒すことが重要です。
インナーチャイルドの癒し方は
●内に秘めている気持ちを外に出す
…過去の出来事や感じていたことを、人に話してみたり、文字におこしてみたり、絵をかいたりすることで、自分の心の奥深くを知ることが出来ます。
●子どものころにやりたかったことや、できなかったことをやってみる
…なかなか買ってもらえなかったお菓子やおもちゃも、大人になったあなたなら好きに買うことができます。
子どもの頃の苦い思い出を上書きするイメージで、やりたいことをやってみましょう。
●セラピストやカウンセラーなどのサポートをお願いする
自分ひとりで対応しようとすると、心の傷をより深くしてしまうおそれもあります。
心の専門家の力を借りて、自分の過去の経験に向きあってみましょう。
②自分を幸せにすることを最優先にし、精神的な自立を目指す
過去のトラウマを自分の中で消化するには、あなた自身が幸せになることが重要です。
例えば、親にしばられていたから抑制していた自分の感情のかせを外し、自分が幸せになるにはどうすればよいかを考えてみましょう。
自分自身が満たされれば、おのずと精神的な自立へとつながり、パートナーとの関係も改善していきます。
③やりたいことを見つけ、実現に向けて行動してみる
では、幸せになるにはどうすればよいでしょうか。それは、あなたがやりたいことを見つけ、実現に向けて一歩踏み出すことです。
仕事、プライベート、なんでもかまいません。
資格を取ってこんな仕事がしたい、富士山に登ってみたいなど、やりたいことの大小は関係ありません。まずはやりたいことを見つけることが最優先です。
また、やりたいことの実現に向けて動き出すことで、自己表現がしやすくなったり、自己肯定感のアップも期待できます。
自分が幸せになることも、結婚生活をうまく送るコツ!
親から受けた心の傷やトラウマから、パートナーのことを心から信頼できなかったり、過度に依存してしまったりと、結婚生活に影響を与えてしまうことも。
それらが積み重なって、離婚という最悪の結果につながる可能性があります。
ですが、アダルトチルドレンだからと結婚を避けてしまったり、離婚を選んでしまうなどあきらめないでください。
インナーチャイルドを癒すことで過去に向きあい、自分のやりたいことを見つけて動き出すことで、自分自身が幸福になることへとつながっていきます。
あなたが幸せになることで、精神的な自立が期待でき、ひいてはパートナーとの幸せな結婚生活を送るきっかけになります。
まずはあなた自身が幸せになるにはどうすればよいかを考えてみませんか。